[261]気になる言葉づかい

~○○でよろしかったでしょうか?~

最近「気になる言葉づかい」で一番「気になる」のは「○○でよろしかったでしょうか?」だそうです。

たしかにちょっと前まではかなり気になっていましたが、最近では私が感じる限り違和感がなくなってきているように思えます。つい最近、電話口で「よろしかったでしょうか?」と言っている自分に気が付いて苦笑したりして。

この「○○でよろしかったでしょうか?」が「気になる」のは過去形だから。言葉自体は間違いではありません。使う時が間違っているのです。

例えばレストランで注文をとる場合:

(1)注文をその場で確認するとき

「包み焼きハンバーグでよろしいでしょうか?」

正しいですね。

(2)注文をうっかり忘れてしまって数分後に再度確認するとき

「包み焼きハンバーグでよろしかったでしょうか?」

注文をとりにいったものの、厨房にオーダーを通すときに忘れてしまって再度確認する場合も無きにしもあらず。そういう時は(2)でもおかしくはありません。

気になるのは、注文をとっている最中に「よろしかったでしょうか?と確認するからです。お客は「こいつ何聞いてんだ?今言ったろ?(怒)」となってしまうわけです。

この背景にはコンビニやファミレスのマニュアルにあるとする意見があるようですが、大手コンビニやファミレスでもそこまでのマニュアルは無く、ということは接客者自身から出た自然な言葉づかいといえそうです。これは接客業に従事する若者がほとんどニートと呼ばれるフリーのアルバイトであることにも理由があるのではないでしょうか?

彼らは定職を持たず、フリーとして社会の行く末を観察しています。そんな彼らの自信のなさ不安さが、過去形を生み出しているのではないでしょうか。今言った言葉にも自信が無い。そしてそれをすぐに確認する。そんな彼らの心が
「よろしかったでしょうか?」という確認的過去形を生み出しているように思えてなりません。

なお、大手コンビニや外食チェーンはこうした言葉づかいをやめさせようと努めているといいます。ロイヤルホストやデニーズでは顧客の苦情が増えたこともあり「○○からお預かりします」「よろしかったでしょうか」など5つの禁止用語を全国の店に通達したもよう。しかし自然に発する言葉こそ時代を象徴する文化であり、頭ごなしに禁止したくらいで収まるとは思えないのです。

◆何でもランキング日経プラス1(2005.10.01号より)

~気になる言葉づかい~

1. 「○○でよろしかったでしょうか」
2. 「○○円からお預かりします」
3. 「私って○○じゃないですか」
4. 「○○のほう」
5. 「私的には」
6. 「ゲロうま」
7. 初対面なのに友達のような口調
8. 語尾を上げる話し方
9. 「うざい」
10. 目上の人に対する「ご苦労さま」
11. 「お名前さまいただけますか」
12. 否定を伴わない「全然○○」
13. 「○○なくない?」
14. 「きもい」
15. 「てゆーか」
16. 「やばい」
17. ら抜き言葉
18. 「ぶっちゃけ」
19. 「ビミョー」
20. 「きしょい」
21. 「むかつく」